創設〜低迷期
ピルグリムのリリースする車種は安価であるがパフォーマンスに優れており、長い間常にブランド販売上位に食い込んでいた。しかしシャイスターの経営方針の転換により1960年代に姉妹ブランドである
ブラヴァドがピルグリムより安価な自動車を展開することとなり、独自性のある車種を持ち合わせていなかったことから差別化ができずにピルグリムは一時期販売低迷に陥ることとなる。
1970年代前半にはアイダホとテスターのヒットにより持ち直し、販売台数上位に返り咲いた。だがそれも束の間であり、1970年代後半にはオイルショックなどを起因としたシャイスターの深刻な経営不振により戦略の見直しが行われ、ピルグリムはフルラインナップブランドではなくなる。ピルグリムのオリジナルモデルは少なくなり、コストダウンの関係から当時提携関係にあったマイバツなどの他メーカー、ブランドのOEMが主流となり、一時期の勢いは完全に失われることとなった。シャイスター内で新モデルが開発された際にもブラヴァドやシャイスターに優先的に展開され、ピルグリムは冷遇された。
消滅
その後1998年に
ジルコニウムが終了した際、ピルグリムにジルコニウムで販売していた小型で安価な自動車のラインナップの流れを統合する案が生まれ、復権のチャンスを得る。その際に新たなフラッグシップモデルとして往年のホットロッドを彷彿させるモデル「レリック」、キセノンをベースとしたオールドニュースタイルのTLクローザーを開発、主力として推す計画とされた。
紆余曲折の末、TLクローザーはシャイスターブランドから発売されることになり、また「レリック」を投入し大きな話題を集めるも劣勢を覆すには至らず、シャイスターのブランド戦略見直しにより一世を風靡していたピルグリムは既存ラインナップの更新を行わないという寂しい形で2002年、その歴史にピリオドを打った。
復活
2001年以降、長い間ピルグリムの系譜は途絶えていたが、2020年、シャイスターの経営難に伴い、ピルグリムに関する商標をシャイスターが売却。
日本の西行寺財閥がピルグリムに関する商標をシャイスターより買収し、同年ピルグリムの復活を発表した。
2020年10月に復活後第一号となるフラッグシップモデル、ディリュージョンを発表したのを皮切りに、かつてのオールドニュースタイル路線を受け継ぐ車を次々と市場に投入し、瞬く間にアメリカビッグ3に次ぐ4番手の地位を得るに至った。
西行寺財閥はピルグリムの世界展開を予定しており、2022年には世界戦略車となる「キャプショウ」を欧州市場に投入、好調な売れ行きを記録している。